【東大英語】東京大学の英語の筆記試験の対策&勉強法!傾向と難易度/レベル【要約/文法/英作文/和訳】


東京大学の英語の傾向

 

東大英語は次のように5つの大問からなり、それぞれの大問は(A),(B),(C),…といったいくつかの問題に分かれています。

近年の出題傾向は次のようになっています。

大問1: (A) 英語の文章の日本語要約問題 (B) 段落整序か空欄補充

※ (B) は2017年に行われた入試で形式が変化し、適語補充の問題が加えられました

大問2: (A),(B) ともに英作文

大問3: (A),(B),(C) すべてリスニング

大問4: (A) 文法問題(記号選択) (B)下線部和訳問題

大問5: 小説読解 (時々エッセイ調の文章が出題されることもあります。2016年度は論説よりの文章で、2017年度は小説でした)

 

東京大学の英語は「制限時間」がとにかく厳しい。

問題自体の難易度はそれほど高いわけではありません。

例えば制限時間を規定の120分から150分に拡大したとすれば高得点層が間違いなく厚くなります。

言い換えると東大英語の難易度の高さは問題ではなく「制限時間」にあるのです。

東大英語の試験では、試験時間120分の中試験開始45分後から30分間リスニングが放送されます。

またもちろんリスニング問題の選択肢の下読みも必要ですから、実際はリスニング開始前にある程度の時間が要求されます。

加えて上記の通り、東京大学理科1類の英語は「読む・書く・聞く」の3つの力を総動員しなくてはいけない出題となっています。

このことを考えると、「英語を自分のものとしてすばやく運用する力が求められているため、東大英語は難しい」のだと言えます。

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東京大学の英語の対策のコツ

 

とりわけ問題が難しいわけではないということを考慮すると、東大英語に対応するための最も効果的な勉強法は「標準的な問題を高速で扱うトレーニングをする」というものです。

ここからは、総合的な英語力についてと、東大英語に特化した入試対策についての2面から、目標到達への道筋を一緒に考えていきたいと思います。

 

総合的な英語力について

 

英語の4技能である、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングのうち、東大英語ではスピーキングを除いた全ての運用能力が試さされます。

英語に限ったことではありませんが、東大入試の詳しい対策方法に入る前に、受験生はまず、教科に対する対応力そのもの、ここでは総合的な英語力を引き上げることから取り掛からなくてはなりません。

そのためには、「困難は分割せよ」と言われるように、大きな課題を小課題に分割し、それぞれに少しずつ力を伸ばしていくことが、確実な実力アップのための道筋となります。

英検やTOEIC、TOEFLまたはIELTSなど、公的な英語試験を受験したことのある人は、分野ごとの対策が総合点につながるイメージがつきやすいかと思いますが、そうでない人も、これを機に英語への取り組み方を体系化してみると良いでしょう。

 

まずライティング・リーディングに関して言うと、文法書の例文を暗唱できるようにすることや、単語帳の例文を暗唱できるようにすることがオススメです。

その時思い出すのに時間がかからないレベルまで高めることが大切です。

標準的な問題を素早くこなせるようにすることが、何より時間にゆとりをもって問題に取り組むためには必須となります。

一見ライティングのみにしか例文暗記は効かないと思われがちです。

しかしリーディングにおいても例文暗記で覚えたり理解したりした文法事項が理解の助けとなり、より速く読めるようになるといずれ実感できるはずです。

 

またリスニングについては、背伸びしてネイティブ向けニュースなどを聞く必要はありません(もちろん聞いて理解できるに越したことはありませんが)。

その代わりに、CNN 10(昔のCNN Student News)やNHKの英語放送のPodcastを聞くことがオススメです。

これらは東大英語リスニングよりちょっと早めくらいのスピードで放送されていますから、聞き取れるようになれば自信を持って入試に臨めるでしょう。

ちなみにCNN10はスクリプトもオンラインで見ることができますから、ぜひ活用してください。

リスニングに自信がない人については、とにかく自分の単語帳に対応したCDを聞き続けましょう。

またできればシャドーイング・オーバーラッピング・ディクテーションなどのトレーニングもするのが好ましいです。

時間はかかりますが、聴解力は着実に上昇していくはずです。

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東大英語の大問別対策&勉強法

 

続いて、東大英語を目標に据えた具体的な入試対策について説明していきます。

東大英語は本来的に、上記に述べたような総合的な英語の運用能力を図る試験であり、出題者は受験者に受験者に対し、試験のための英語から脱却した、実践的な英語力を身につけて試験に臨むよう求めています。

しかしながら、大学入試という性格上、東大英語もまた一定の形式が踏襲されるものであり、個別の対策が点数に直結してくるというのが実際のところです。

そのため、効率よく点数を上げるには、言うまでもないことですが、東大英語の問題分析と、各設問の性格を捉えたピンポイントの対策が必要不可欠となってきます。

よってここからは、大問ごとにその特徴と対策方法を詳しく見ていくこととします。

 

対策&勉強法①大問1

 

(A)は要約問題ですが、制限字数内で文章の要旨をまとめるということは、国語の現代文を解くときと同様に、解答要素を過不足なく抽出し上手くまとめあげる訓練が必須です。

(B)の段落整序・空欄補充については、文章全体を初めから終わりまで真剣に読もうとすると、時間が足りなくなる上に、あまり意味がありません。

文章の主旨を掴むにあたって、導入部分は多少注意して読まなければなりませんが、重要なのは点数に直結する読み方です。

すなわちこの設問では、段落整序なり空欄補充なりについて、どうしたら前後の接続が上手くいくかということを考えながら、キーワードを素早く拾うことが要求されています。
文脈把握能力に加え、文章を早く正確に読み進め、解答につながるヒントを確実に拾うには、文章全体を視野に入れつつメリハリをつけた読み方をすることが必要不可欠です。

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対策&勉強法②大問2

 

英作文は多くの人が苦手とする分野ですが、これは食わず嫌いと言っても過言ではありません。

試験会場では、実際に空欄にしたまま答案を回収される人がいるのが現実です。

よって精神論のようですが、設問A・Bともに、自信を持って取り組むことが勝敗を分けます。

英作文は、慣れれば難なく書けるものであり、量をこなせるようになれば、あとは細かい文法語法や内容をブラッシュアップすることで、簡単に高得点に近づくことができます。

反面、癖がつきやすい分野でもあるので、必ず信頼できる人に添削してもらうようにしましょう。

 

対策&勉強法③大問3

 

リスニングの決め手は、放送開始前や放送の合間に、どれだけ選択肢に目を通せるかに掛かっていると言えます。

英語の試験時間のうち、リスニングの問題用紙はいつ見てもいいので、リスニング開始前に問題をチェックすることは必須です。

選択肢を確認する時間を削って、放送を聞きながら選択肢を検討するというのは、やっても構いませんが、どちらも中途半端になる可能性があり、往々にして正答率が下がるので危険です。

放送開始2~3分前で構わないので、選択肢にざっと目を通してある程度状況などを想像しておき、放送中は音声に集中するようにしましょう。

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対策&勉強法④大問4

 

(A)の文法問題は、過去問に取り組み始めると、明らかに難所であることが分かるかと思います。

文章の中に文法的誤りを見つけるには、相当英文慣れしていることが必要であり、文法知識を問う問題としての難易度は最も高いものの一つであると言えるでしょう。

文法・語法に関する知識は、量的にはそれほどないので抜け漏れを防ぐとともに、なるべく多くの英文に日常的に触れ、英語を感覚的に掴めるようになっておくことが大切です。

(B)の和訳は、難しく考えず、文章の全体像をまず自分の中でストーリーとして捉えてから、大枠を作った上で訳を書き出すと良いでしょう。

一語一語訳すようなイメージで取り組むと、いかにもわざとらしい和訳文が出来上がります。あまりに意訳が過ぎるのも本末転倒ですが、あくまで自然な文章になるよう心がけましょう。

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対策&勉強法⑤大問5

 

長文は丁寧に解きたくなるものですが、多岐にわたって理解を問う小問ひとつひとつに関して完璧を追求すると、想像以上に時間がかかるので要注意です。

とはいえ、配点が大きいと予想されることから、やはり文章にしっかり向き合った上で、自分の納得出来る解答を出すことが出来なければ、他の問題の時間配分が上手くいった周囲に差をつけられてしまいます。

選択問題が複数あるために、最後の手段としてとりあえず何か記入して解答を埋めることは出来るものの、例えば並べ替えに関しては、選択肢6つを並べ替えてそのうち2番目と5番目を答えさせ、両方正解で加点するなど、当てずっぽうでは正解できないようになっています。

英語は東大入試の最終科目であり、第5問は必然的にその最後のハードルとなります。

悔いの残らないよう、最後の最後まで気を引き締めて、全力で取り組みましょう。

 

東京大学の英語対策&勉強法のまとめ

 

東京大学の狭き門を通過するためには英語が肝要です。

英語に限ってはとにかく「簡単なものを素早くこなし、難易度が高そうなものにゆっくり着手する」ための英語力や時間配分を研究することが、その攻略の近道となります。

繰り返しますが、東大英語は時間との戦いです。

特別な環境や教育なしに、高校までの勉強で身につけられる英語力というのは微々たるもので、また少なからず偏っており、高校の教科としての英語で高得点を取ってきただけの人にとって、短時間で膨大な情報処理を要求する東大英語は非常にやりにくいと言われています。

というのも、何度も言ってきたように、東大英語は明らかに、英語を使って何が出来るかということを、一般的な高校生に無理のない範囲で試しているからです。

いわゆる「英語が得意」という受験生は、80程度で頭打ちになるケースが多いですが、これははっきり言って合格点なので、模試でコンスタントに80~90点取れるようであれば、東大英語の要領を掴んでいると考えて良いでしょう。

しかしながら、何より大切なのは、英語に対して主体的に向き合う姿勢であると言えます。

採点者には、「英語を使役している人間」と「英語に振り回されている人間」がちゃんと見えています。

目先の問題しか目に入っていないような入試対策は、長期的に見て良い結果を招きません。

また一方で、数ある東大入試科目のうち、将来最も直接的に身を助けるのが英語であると言っても間違いではないでしょう。

試験勉強だと思わず、将来の自分への投資であると考えて、日々英語と向き合うことが出来れば、自ずと東京大学の必要とする実践的な英語力が身につくことと思います。


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