大学入学共通テスト・世界史の対策&勉強法!レベルや難易度、センターとの違い


大学入学共通テスト世界史の概要

 

まずはじめに、大学入試共通テストの世界史の全体像を整理していきましょう。

 

➀全問マーク式問題

 

この点は現行のセンター試験世界史の形式と全く同じです。

記述式、論述式の設問等はありませんので、それらの対策をする必要はありません。

大問の中に文章や地図が用意されており、その内容と関連づけた問題が出題されています。

選択肢の内容自体の正誤を問う問題、設問の文章の内容に適する選択肢を識別する問題などが中心となります。

 

➁大問5つから構成

 

この点は例年、大問4つで構成されていたセンター試験とは異なる点です。

大問の数が増えたからといって、問題数が増えたというわけではなく、むしろ問題数少しは減らされています。

1つの問題を複雑化し、正解にたどり着くまでより高度のプロセスを踏まなければ問題が解けない傾向にあります。

また出題範囲についても、現在のセンター試験と同じく特に指定はなく、世界史Bの全範囲から出題され、広範な世界史事象に対する理解と知識が求められます。

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大学入学共通テスト世界史の傾向と対策

 

先にも述べましたが、出題範囲に特に指定はありませんので古代から現代に至るまでの歴史事項を幅広く理解している必要があります。

平成30年度の試行問題の大問1のAを例にとり見てみましょう。

 

A 次の地図は,地中海とその周辺地域を表している。

この地図中の矢印は、歴史上生じた大規模な人の移動の始点と終点並びに移動の方向を大まかに描いたものである。

矢印aと矢印bは、ヨーロッパと北アフリカとの間の南北方向の移動 をまた、矢印cと矢印dはヨーロッパと西アジアとの間の東西方向の移動をそれぞれ指している。

(平成30年度 大学入試共通テスト試行問題世界史B 大問1より出典)

問1は矢印aまたはbが示す人の移動の内容を問う問題。

 

選択肢には8世紀のウマイヤ朝による西ゴート王国征服から、ムッソリーニによるエチオピア侵攻という現在の歴史的事項が含まれています。

この設問だけで中世から現代に至るまでの知識を要求されています。

よって世界史の事象を幅広く抑えておくことが最重要ポイント

またもう1つ注意しておくべき点として、センター試験と比べて、単なる歴史事項を問われる問題が減り、地図問題や、文章の読解を含めた問題が出題されることが多いという点

歴史のより深い理解、国や出来事の相互関係の把握、高い思考能力が求められる、試験となったと言えるでしょう。

 

A-問3 上の地図で表された地域において接触した可能性がある勢力の組合せとして

誤っているものを次の 1 〜 4 のうちから一つ選べ。

1 共和政ローマとカルタゴ  2 メロヴィング朝とマムルーク朝
3 ビザンツ帝国(東ローマ帝国)とヴァンダル王国  4 スペイン王国とナスル朝

(平成30年度 大学入試共通テスト思考問題世界史Bより出典)

 

先ほどの大問の問3番の問題です。

こちら問題では上記の歴史上の勢力が接触して起きた、出来事そのものを問うているのではありません。

それぞれの勢力の活動期間、地域など総合的な理解ができていることを前提に、接触した可能性がない二つの組み合わせを選ぶという単なる暗記では対応できない、思考力を問う問題です。

この問いの答えは2番でそれぞれの活動時期が異なることから答えを導き出すことができますが、他の選択肢の組み合わせの勢力間で起こった出来事も理解しておく必要があると言えるでしょう。

これまでをまとめると出題傾向としては、範囲は高校世界史で取り扱う歴史範囲全て、地図や文章を交えた総合的な問題が頻出です。

またそれに伴い、全範囲のバランスのよい暗記と理解、また歴史的事象の相互関係も理解しておくことが対策として必須となります。

 

出題内容(平成30年度)

A 地中海世界において人の移動に関係した歴史的事象について

第一問 B 地図をもとにした人の移動、貿易、朝鮮半島の歴史

第一問 C グラフの読み取りと北アメリカの歴史の問題

A 古代ギリシア、ローマ世界の政治体制

第二問 B 帝国主義時代について書かれた文語体の文章の読み取りをもとにした帝国主 義についての理解を問う問題

第二問 C インドネシアについての会話をもとにしたインドネシアの歴史に関する問題

第三問 A中国製の磁器に関連づけた貿易、経済における歴史的事象を問う問題

第三問 B インドで使用された三つの貨幣を発行したそれぞれの王朝(中国、古代イラン、北インド)に関する問題

第四問 A 18世紀以降のヨーロッパの政治状況

第四問 B 中国王朝とその近隣地域に関する問題

第五問 A表やグラフの読み取りを基にイギリスの産業革命についての理解を問う

第五問 B グラフの読み取りを基に1970年以降の経済史について問う問題

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大学入学共通テスト世界史の難易度/レベル

 

大学入試共通テスト世界史で問われている内容の難易度としては、今までのセンター試験の世界史と大きな違いはありません。

よって私大の入試で問われるような、教科書レベルを逸脱した細かい知識は必要ありません。

出題範囲は全範囲となりますが、教科書レベルを満遍なく網羅して準備すれば、十分に対応できる問題です。

 

大学入学共通テスト世界史の対策&勉強法

 

STEP①教科書を読み込む

 

教科書もしくは標準レベルの参考書を覚えこむのが一番大切な、土台固めです。

先にも述べたとおり、共通テストの世界史では教科書レベルの問題が出題されるので、基礎が何よりも大切です。

世界史は暗記科目なので、苦しみながらもどんどん覚えていくしかありません。

1回2回といわず、何度も何度も繰り返し暗記してください。

 

STEP②一問一答形式の問題集に取り組む

 

教科書をある程度読み進め、重要語句の暗記がある程度(5割以上)進んだら一問一答の問題集を取り入れましょう。

赤シートを使って重要単語を一気に暗記すると良いですね。

教科書をベースに歴史事象の暗記、理解を進めていき、

一問一答を使い重要語句、キーワードの復習暗記と目的を明確に理解しながら使うとより効果的です。

どこの出版社のものを使っても基本的には問題ないですが、何周も(できれば10周以上)と取り組み、見出し語は完璧になるまで何度も復習してください。

 

STEP③過去問に取り組む

 

最後に過去問演習。

世界史に関しては国語や英語と違い、試験に慣れると点数が上がるということはあまりないので、上記の教科書、一問一答をやりこんだ後、8割以上全範囲の理解、暗記が終わってから過去問に手をつけるようにしましょう。

試験慣れよりも、知識をインプットすることの方が大切です。

インプットができていない状態でアウトプットをしても、あまり効果はありません。

十分に土台を固めた状態で過去問に挑戦し、自分の弱点を見つけてください。

そこを補強していくことで、点数が1点ずつ伸びていきます。

 

大学入学共通テスト世界史の傾向と対策まとめ

 

世界史は勉強した分だけ、点数が伸びる教科です。

「歴史を学ぶ」という姿勢がとても大切で、丸暗記ではなかなか対応できません。

膨大な時間を要する科目ですから、勉強法を磨いていけばそれだけ、他の受験生と差をつけることができます。


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