タンパク質は、私たちの生命を支える大切な物質です。
生体の様々な反応を触媒する酵素やホルモンの一部、繊維、爪や髪の毛などはみなタンパク質でできています。
そんなタンパク質の構造と働きについて、学習する際のポイントと勉強法を紹介します!
タンパク質の構造 (基本編)
タンパク質は、20種類のアミノ酸がペプチド結合したポリペプチドからなります。
ポリペプチドは、水素結合、ジスルフィド結合、水素結合などによって特有に立体構造となり、タンパク質になります。
ここでまず、以下の4つの言葉を正確に覚えましょう!
一次構造・・・アミノ酸配列のこと。
二次構造・・・ポリペプチドのペプチド結合どうしが水素結合してできる構造。αヘリックスとβシート。
三次構造・・・一本のポリペプチドが、疎水結合やジスルフィド結合により折りたたまれた構造。
四次構造・・・三次構造をとるポリペプチド(サブユニット)の集合体。
四次構造は、すべてのタンパク質がとるわけではありません。
複雑な酵素や赤血球などは、いくつかのサブユニットが集まって四次構造をとることで、初めて機能を持つようになります。
ここで、二つポイントです!
〈ポイント1〉 アミノ酸配列(一次構造)によって、タンパク質の構造が決まる!
タンパク質の構造には、様々な結合が関係していることに注目してください。
疎水結合やジスルフィド結合は、アミノ酸の側鎖の性質によるものです。
つまり、アミノ酸配列(一次構造)によって、タンパク質の構造が決まる、ということです。
〈ポイント2〉 タンパク質の性質はタンパク質の立体構造に依存する!
タンパク質の性質は、その立体構造によって決まります。
例えば、酵素と基質が特異的に結合するのは、タンパク質の活性部位の構造と、基質の構造がぴったりと一致するためです。
熱や酸によってタンパク質の構造が崩れたり(詳しくは後述)、突然変異などによってアミノ酸配列が変化してタンパク質の構造が変化したり(ポイント1)すると、正常な働きを失ってしまします。
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タンパク質の構造 (発展編)
タンパク質の立体構造は、タンパク質の性質を決めるのに非常に重要な役割を果たします。
しかし、その立体構造は様々な要因により崩されてしまい、タンパク質は変性してしまいます。
タンパク質は、温度変化やpH変化に敏感です。
温度が高すぎると、その立体構造が壊されてしまいます(熱変性)。
また、タンパク質にはその構造を適切に保てるpHの範囲(最適pH)があります。
温度変化やpH変化によって、変性しかけてしまったタンパク質は、その立体構造を修復する必要がありますね。
こんとき、活躍するのが、分子シャペロンです。
分子シャペロンは、①変性しかけたタンパク質の立体構造の修復を行うほか、②合成されたばかりのタンパク質の折りたたみを補助したりもします。
このあたりの用語の定義や活躍場面は、知識として問われることもあるので悉皆マスターしておきましょう!
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タンパク質は様々な場面で活躍している!
はじめにも書いたように、タンパク質は私たちの生命活動を支える様々な働きをしています。
その代表例をいくつか紹介します。
①細胞骨格
細胞に物理的な強度をもたらすほか、物質運搬のレールとして活躍します。
細いものから順に、アクチンフィラメント、中関係フィラメント、微小管があり、これらはタンパク質からできています。
②細胞接着
細胞と細胞をくっつけたり、連絡したりするのもタンパク質です。
カドヘリンやインテグリン、コネクソンなど。
③細胞膜輸送
細胞内で作った物質(ホルモンなど)を細胞外に輸送したり、細胞外からイオンやホルモンを取り入れたりするとき、その物質の輸送を調節するのは細胞膜状にあるタンパク質です。
ナトリウムポンプやアクアポリンなど。
④細胞間情報伝達
多くの情報伝達物質はタンパク質ですし、それを受容して細胞に情報を伝える受容体もタンパク質です。
⑤モータータンパク質
細胞骨格状を移動して、細胞内の物質輸送に働いたり、筋収縮で働いたりします。ダイニンやキネシンなど。
⑥その他酵素
酵素はタンパク質からなります。
以上のように、タンパク質には多くの働きがあります。
上に書いたのは、その働きのほんの一部に過ぎません。
上の一部の例を見るだけでも、タンパク質は生命現象において非常に大切であることが分かると思います。
遺伝子が変異してアミノ酸配列が変わり、タンパク質の立体構造が正常でなくなると、生命活動が正常に行われなくなってしまいます。
なお、ここではさっとタンパク質が活躍する場面の紹介だけになってしまいましたが…各論的なことは、情報伝達や細胞内輸送、細胞接着や呼吸など、それぞれの分野を勉強する中で詳しく学んでいくと思います。
今回は、タンパク質がどのような性質を持っていて、私たちの体の中でどのようにふるまうのかのおおまかな様子をとらえることを目的としているので、各論的な説明はしていません。
ここでは、繰り返しになりますが、タンパク質は私たちの体の中で様々な働きを担っていて、いろんな現象に必要不可欠な存在だ!ということをしっかり理解しましょう!
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タンパク質の構造と働きを勉強するときに意識すること
ここまでタンパク質の構造と、どんなところで活躍しているのかその例をいくつか紹介してきましたが、実際に覚えなくてはならないものはそれほど多くありません。
もちろん、代表的な具体例は覚えておく必要がりますが、たんぱく質が活躍する場面は生体ににいくらでもあります…。
ですので、それを全部覚えることは絶対に無理ですし、覚える必要は一切ありません!!
「じゃあ、入試問題などで自分が知らない現象が出てきたとき、どのように問題に立ち向かえばいいの??」
そう思われるかもしれませんが…
①上に説明したたんぱく質の構造(基本編)と(発展編)をしっかり頭に入れ、それが瞬時に発想として出てくる!
そして、
②代表的なたんぱく質の働きを知っている!
このような状態になれば、どんな問題にも太刀打ちできるようになります。
〈例〉
この動物は、物質aを物質bに変える反応を触媒する酵素を持つ。
野生型Aは物質aをbに変えることができるが、遺伝子変異型Bはaをbに変えることができない。
この現象について、タンパク質の働きの観点から説明せよ。
この場合、まずaをbに変えられるかどうかは、aをbに変える正常な酵素を持つかどうかがポイントだと考えられます。
変異型Bがaをbにちゃんと変えられないということは、すなわちBはaをbに変える正常な酵素を持っていない、ということです。
ではなぜ正常な酵素を持っていないのか?
それは、遺伝子が変異してタンパク質の一次構造が変わった→立体構造が変わり、正常な酵素として働かなくなった!
まとめると、以下のようになります。
〈解答〉
遺伝子が変異したことにより、その遺伝子から作られるタンパク質の一次構造が変化した。
それにより、作られるタンパク質の立体構造も変化し、正常な働きを持たなくなったため。
タンパク質がカギとなるも問題では、
①正常と変異型(正常と比べて違うもの)の違いはどこだろう?
②どうしてそような違いが起こるのか?→タンパク質の変性が原因かも・・・?
③タンパク質の変性はどうして起こったのか…?(たんぱく質の構造(基本編)(発展編)のどれだろう?)
このような手順で考えることが重要です。
これは、記述ではもちろん、記述式でなくても同じように考えます。
そして、ステップ②とステップ③で、今回上で紹介したようなタンパク質の構造や具体的な働きの代表例の知識がとても役に立つのです!
その知識があれば、「この現象は初めて聞いたけど、自分が知ってるあの現象に似てるなぁ…」と思えればあなたの勝ちです!!
少し頭をひねって自分の知っている知識を応用すれば、もう答えは目の前にあります!
タンパク質の構造と働きのまとめ
何度も言いますが、タンパク質の構造と代表的な働きを知識として持つことがまずは第一歩です。
しかし、働きなどは今タンパク質の勉強をするときにすべて覚える必要はありません。
ほかの分野の勉強をするときに具体的な例としてタンパク質がいろいろな形で登場しますので、その都度注目して頭の片隅にとどめてきましょう。
そして、知識がたまってきたら、それを実際の問題で応用することに慣れましょう!
それには、実際に問題をこなすことがある程度必要です。
「こういう場合には、こう考える手があったか!」というアイデアを、問題を解く中でどんどん身に着けていけば、いつしか自然と自分の知っている知識から応用して問題を解くことができるようになります。
①基本的な知識を覚え、②それを知らないことにも応用して考えること。
これがたんぱく質の構造と働きに関する問題が解けるようになるコツです!
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