この記事は京都大学理学部に合格された方に書いて頂いた、生物の勉強法です。
ゼロから京大レベルまでどのようにステップアップしたのか、教えてもらいました!
大学入試で使用する科目として生物を選んだものの、いざ入試に向けた勉強法を考えると、どうしたらいいのか分からない…という方は多いのではないでしょうか?
「暗記することが多くて大変そう」
「勉強する分野が広くて、どれから手を付けたらいいのか分からない…」
確かに、生物は他の理科科目に比べて覚えなえればならないことが多いのは事実です。
だからといって不安になる必要はありません!
今回は「難関大学の生物を攻略したい!!」という方に向けて、合格にグンと近づく生物の勉強法をご紹介します。
これは実際に私が受験生の時に実践していた方法であり、この方法で京都大学理学部に生物選択で合格しました!
これからご紹介する方法を参考にして、生物で難関大学合格を勝ち取ってください!!
目次
大学受験の生物の特徴
大学の入試科目の生物には、次のような特徴があります。
他の理科科目に比べて暗記が多い
生物は物理や化学と比べて、暗記量は多いです。
そのため生物=暗記科目という考え方を持っている方も多いですが、これは間違い。
生物は結果的に暗記するものであって、暗記することを目的にして勉強を進めてはいけません。
具体的な勉強方法は、このページの中で詳しく解説していきます!
計算量は他の理科科目に比べて少ない
生物は物理や化学に比べると、計算量は少なめです。
使う計算も、小学生レベルの四則演算。
とはいえ生物の計算はすごく簡単というわけではありません!
生物の計算問題を解けるようにするには、演習をたくさん解いて慣れることと、問題文の意味を理解して、自らどのように計算するべきなのかを考える力が必要になります。
記述式の問題が多い(特に東大、京大)
生物は記述式の問題も多く出される場合があります。
問題文で与えられた実験について考察し、自分の考えを述べる形式など。
自分の考えといっても、自由に書けば良いわけではありません。
基本的な生物の知識をもとに、与えられた問題文から読み解ける範囲内で、正しく、理論的に考察する必要があります。
基礎が何よりも大切
生物は何といっても、基礎知識が本当に大切です。
どんなに難しい応用問題であっても、基礎知識がないと解けません。
基本知識は記憶に完璧に定着させて、反射的に出てくるレベルでないと、限られた時間の中で問題を解くことはできません。
以上のような生物の特徴を踏まえたうえで、難関大学に合格するための生物の勉強法をお伝えしていきます!
入試本番までの勉強の流れ
生物の勉強に取りかかる前に、入試本番までの勉強の流れを頭の中でイメージすることが大切です。(もちろん生物に限らず、他の教科でも!)
見通しを立てることで、限られた時間の中で無駄なく、効率的に勉強を進めていくことができるでしょう。
私は以下のような流れで勉強を進めていくことを、おすすめしています。
①高校の定期考査レベルの問題集をマスターする
②志望校の過去問を解いてみる
③演習問題集を解く
④志望校の過去問を本格的に演習する
⑤苦手な分野の知識を、定期考査レベルの問題集で確認
といった流れです。
ここからはこの流れの1つ1つについて、詳しく説明していきます。
①高校の定期考査レベルの問題集をマスターする
まずは定期考査レベルの問題集をマスターしましょう。
定期考査レベルの問題集とは、学校で配られる問題集(セミナー生物や、リードαなど)です。
これらの問題集を、定期考査の時だけで終わらせてはもったいないです!!
正直なところ、これらの定期考査レベルの問題集と過去問さえやっていれば、難関大学と戦えるようになるといっても過言ではありません。
私は高校1年生から入試本番まで、学校で配られたセミナー生物を愛用していました。
まず定期考査前のテスト対策として2周以上。
模試などの前に、復習として1周。
解けなかった問題には必ずチェックをつけて、完璧に定着するまで復習を続けました。
ニガテな問題のみにフォーカスして学習できるので、勉強の効率が上がります。
時間がないときには、基本問題のような、章の最初にある一問一答や語句埋めの題だけやるのも効果的です。
このように何周も問題集を解いて、全ての問題を完璧に理解できれば、基礎がガッチリと固まります。
入試本番には、問題集がいくつものマークでいっぱいになっているでしょう。
あなたが問題集を愛用し、マスターしてきたという証であり、財産です!
書き込みでいっぱいの問題集を試験会場にもっていき、自分の自信にできるように頑張っていきましょう。
②志望校の過去問を解いてみる
定期考査レベルの問題集をある程度マスターしたら、まずは実際に志望校の過去問を見てみましょう。
基本的な知識をマスターした後、過去問ではなく発展的な問題集に取り組む方も多いです。
志望校がまだ決まっていない場合はそれも良いですが、志望校が決まっているのならば、まずは過去問に触れて傾向を知ることが大切。
というのも、生物は大学によって出題傾向が大きく変わるからです。
実験考察が多いのか?細かい知識を問うのか?はたまた、計算能力を重視するのか?
大学によって傾向は様々です。
自分の目標大学に合格するためには、どの力をどれくらい伸ばす必要があるのか?
明日からどんな勉強を進めていけば、志望校に合格できるのだろうか?
限られた時間の中で合格点を取れるようにするためには、ゴールを先に知っておくことが大切ですから、過去問には早めに触れておきましょう。
③本格的な問題演習に入る
定期考査レベルの問題集だけでも、志望校と戦う力は身に付きます。
とはいえ演習量をたくさん重ね、より多くの問題に出会っておいたほうが強いことは間違いありません。
過去問を解いてみて、勉強の方針が見えてきたら、演習問題集に取り組みましょう。
私がおすすめする問題集は、「化学標準問題精講」。
この問題集はかなり難しめですから、定期考査レベルの問題集がマスターしきれていない場合にはおすすめできません。
一方で基礎が固まって、難関大学レベルへステップアップしたい方にはもってこいの1冊。
化学標準問題精講は丁寧でかつ発展的な解説が充実しているので、大きく力を伸ばせるでしょう。
④志望校の過去問を本格的に演習する
演習問題で応用力を身につけたら、今度は過去問で志望校に特化した応用力を磨いてきます。
演習問題集では、一般的な応用力しか身に付きません。
大学入試では限られた時間の中で高得点を取らなくてはなりませんから、やはり各大学に特化した問題のこなし方が必要になります。
赤本や青本などで時間を測って問題を解き、答え合わせをする。
わからないところや不安なところは参考書や教科書で復習する。
「過去問→弱点補強」のサイクルをどんどん繰り返していきます。
欠けてしまっていた知識を復習しながら、大学の傾向に合った思考法やテクニック、時間配分などを徹底的に研究しましょう。
⑤苦手な分野の知識を、定期考査レベルの問題集で確認
過去問も解き切り、入試が目前に迫ってきたら。
つい焦って、難しい発展問題集を解きたくなるかもしれません。
しかしそんな時こそ基礎固めが大切なので、基礎的な問題集に戻りましょう。
もちろん過去問で解けなかった問題や発展問題集で苦手な問題を解きなおすことも必要ですが、基本問題に立ち戻ることがとても大切です。
意外と基本的な語句を忘れていたりすることに気がつくでしょう。
基本的な語句を忘れていたら、焦らず、初心に帰ってマークをつけておきましょう。
そして入試直前やテストの間の休憩時間などに、マークを付けたところだけでもいいので、目を通していきます。
きちんと基礎を復習しておくことで、本番に「あれ、これなんだっけ…まずい、ド忘れした、どうしよう…!!!」といって、焦ることも減るはずです。
入試本番では、焦りは一番の敵。
焦って頭が真っ白になって、実力が発揮できなかった先輩方はたくさんいらっしゃいます。
本番で焦らず落ち着いて問題を解けるようにするためにも、基礎的な知識は常に復習し、記憶に定着させておきましょう。
生物=暗記は間違っている!!
冒頭でも少し解説いたしましたが、生物は暗記科目だという考え方は間違っています。
どのように勉強するのが良いのでしょうか。
私は「ストーリーとして流れを捉えながら、現象を理解しながら勉強する」ことが大切だと考えています。
ただただ語句を覚えていても、実践的な力は伸ばせません。
流れとして理解する過程で語句を覚え、さらに自分が知っている教科書レベルの現象と入試問題の自分の知らない新たな現象を照らし合わせます。
そして未知の現象も既知の現象と同じような手順で理解でき、問題を解くことができるようにしていきます。
ここからは大切な「ストーリーとして流れを捉える」方法を解説していきます!
そのためには「自分で図を書く」ことが大切です。
オリジナル図解で流れをマスター
基礎的な学習をする段階から、自分で図を描いていくことを意識してください。
図表や教科書の図を写し、そこに語句やメモを書き込んでいき、自分オリジナルの図表を作っていくのです。
きれいな図である必要は無いので、自分がその現象を理解できるように作っていけばOK。
自分で図を描くと、教科書や図表の図を、注意深く見ることになります。
また自分でメモを書き込むときには当然、自分の描いた図の中に、出来事の流れ順に書いていきます。
この作業を行うことによって、現象が頭の中で映像化されます。
この過程を通して自然と語句を暗記できれば、それは「丸暗記」ではなく生きた知識になるので、得点にもつながっていくでしょう。
友達に解説できるようになろう
頭の中で現象が映像としてインプットされていれば、友達にその現象を説明することもできるはずです。
簡単な図を用いて、流れを説明してみてください。
誰かにわかりやすく伝えることができるというのは、頭の中で流れがしっかりと映像化されているという証拠です。
たとえば一緒に生物を勉強している友達、後輩や家族に教えてあげたりしてみて、自分がどれくらい理解できているのかを確認してみるとよいでしょう。
説明する相手がいなくても、自分で図を書いて、相手を想定して解説してみてください。
意外と思い出せない部分があったり、図をかけなかったりするかもしれません。
そんなときは、改めて教科書や図表で確認して、知識を定着させましょう。
「相手に伝える」という意識を持つことで、自分はより深く理解しようと努めることになるので、1ランク上のレベルにステップアップできます。
図で流れを理解する方法は入試本番でも使える!
図で流れを理解する方法は、実際の入試問題でも力を発揮します。
自分が知らない現象や実験を、文章だけで理解するのはとても難しいです。
ですから問題文を読みながら簡単に図を描いていくことで、視覚的に現象や実験の流れ、そして意味を理解することが大切です。
問題の意図を理解し、解くスピードも格段に上がるでしょう。
普段から文章を読み、図を書くことに慣れていないと、本番で活用することはもちろんできません。
この点から見ても日ごろの知識のインプットの段階から、図を用いた勉強法で生物を学習することはとても効果的です。
また普段から図を理解することに慣れていれば、だんだんと図を描かなくても頭の中で図化して理解することができるようになります。
この段階まで来ると、図を描く時間も短縮できるので、より短時間で問題文を理解し、正解にたどり着けるようになるでしょう。
論述問題の対策について
論述問題は自分で勉強していても明確な正解が分かりにくいですし、後回しにしてしまいがちな問題なので、苦手意識を持つ方も多いです。
とはいえ当然ですが、志望校で論述問題が出題されるのであれば、配点も高いので積極的に対策しなければいけません。
論述問題は「知識を論述する問題」と、「実験考察を論述する問題」の2種類に分かれます。
知識を論述する問題の対策としては、「生物記述・論述問題の完全対策」がおすすめ。
この参考書は解答だけでなく、どのキーワードが含まれていれば正解かまで明確に書かれていて、採点する際にとても参考になります。
解説部分にはその分野の関連事項が簡潔にまとめられており、復習にも有効です。
実験考察の論述問題では、先ほど紹介した図で流れ全体を把握する方法で理論的に考え、それを採点官にわかるように説明する必要があります。
そのためにはまず、教科書レベルの正しい知識が必須です。
土台があってこそ、実験や現象を自分が知っている教科書レベルの現象と比較し、正解を導き出すことができます。
教科書レベルの基礎が完成している方は、自分の知識を応用して正解を導き出すトレーニングとして、実験考察の論述問題集に取り組むことをおすすめします。
計算問題の対策について
生物の計算問題は、計算そのものはさほど難しくありません。
しかし計算式を立てるまでのプロセスが、案外難しいものです。
特に遺伝問題は難しくアレンジがしやすいため、難関大学では頻出のテーマになっています。
計算問題を解いていくためにはやはり、簡単な図を使うことが大切です。
図を描くことによって、問題文の意味を正確に読み取っていかなければいけません。
時間をかけずスムーズにできるようになるためには当然、トレーニングが必要。
過去問研究や定期考査レベルの問題集を完璧に終えてまだ余力がある方は、「大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法 三訂版」などでトレーニングすることをおすすめします。
大学受験の生物の勉強法まとめ
生物に限らず、勉強を進めていくうえで最も大切なことは「基礎知識を完璧にマスターする」こと。
日ごろの勉強の際には図を用いて流れを全体的に理解し、頭の中で映像化して試行する癖をつけましょう。
そうすることで、難関大学に合格できる思考力が身に付きます。
余力があれば更なるスキルアップを目指して、論述問題や計算問題などのトレーニングを積んで、万全の状態で試験に挑みましょう!
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筆者は現役時代、偏差値40ほどで日東駒専を含む12回の受験、全てに不合格。
原因は「英語長文が全く読めなかったこと」で、英語の大部分を失点してしまったから。
浪人をして英語長文の読み方を研究すると、1ヶ月で偏差値は70を超え、最終的に早稲田大学に合格。
「1ヶ月で英語長文がスラスラ読める方法」を指導中。
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