無機化学とは?
無機化学とは、有機化学とは違い炭素化合物以外の全ての物質(ただし、一酸化炭素や二酸化炭素は無機化学として扱います)を取り扱う分野です。
多くは単体、炭素を含まない化合物を取り扱っている分野です。
わかりにくいですね…
代表的なものを挙げるとすれば「金属」「ハロゲン」「結晶格子」なんかもこの分野に含まれます。
ざっくり言ってしまえば、生物起源の物質ではないもののこと。
有機化学は生物由来の物質を扱う学問で、その他全ての物質を扱うのが無機化学なわけです。
ただ受験生、主に理系の学生の多くを悩ませる分野の一つといっても過言ではありません。
それはつまり、ただ単純に覚えなければならない「暗記科目」だからです。
実際の入試問題を見てみると、確かに知らないと解けない問題、いわゆる知識問題が無機化学の分野では必ず出題されます。
しかし中堅から難関校の大学入試では、知識問題の後に高確率で計算問題が出ます。
ここでは理論化学の知識が必要になってくるわけですが、まず無機化学の反応式をしっかり理解していなければ、理論化学がいくらできても計算を間違えてしまいます。
ですから、正確に正しく無機化学の単体や化合物を理解して覚えることが大切なのです。
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無機化学は丸暗記でOK??
化学という学問は意外と大雑把、というよりかはまだ曖昧な学問。
化学というものは実験してみてわかったことを学んでいるのです。
それはつまり、「紙面上で式を立てて最初から最後まで紙の上で終わってしまう数学とは違うんだよ」ということ。
無機化学は実験して得られたデータを学んでいるに過ぎないので、ただの暗記作業になりがちです。
ここで大事なのは、やみくもに覚えるのではなく、理解して覚えることと、実際の日常生活でどのように無機化合物が使われているんだろうと考えながら覚えることが大切です。
例えば濃硫酸という化合物は化学を少しでも学んだ人なら、誰もが知っている無機化合物です。
濃硫酸は酸性ということは多くの人が既知のことですが、濃硫酸に水を入れると発熱反応があるということはご存知でしょうか。
ここで大事なのは濃硫酸に水を加えると発熱反応があるということをただ単に覚えることではありません。
例えば理科室の実験で濃硫酸が手についたら、流水で洗いますか?
もし流水で洗うと発熱するからヤケドする。なぜなら発熱反応があるから。
と具体的な例を持って覚えると良いです。
水素には水素の個性、酸素には酸素の個性があります。
そんな個性的な元素がこの地球には100種類以上もあります。
しかもそれらがいくつも結合して多様な物質を作っていて、その数は……。
気が遠くなってしまいますね……。
これが覚えなければならない量が多い理由です。
とはいえ大学入試に出る元素や化合物はほぼ決まっています。
難しい知識問題が出ても、それは自分だけでなく、他の人もわからない問題なので、解けなくても合否に関わることはありません。
もちろん腹を割って覚えなければならないものもありますが、理解して、そして具体例を持って覚えればそれほど大変ではないのです。
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無機化学の勉強法
無機化学は多くの受験生の悩みの種。
だからこそ差がつく分野でもあります。
数学のように、試験中に考えることなんてほとんどありません。
知っていれば点数が取れる。
知らなければ点数は取れない。
簡単な話です。
勉強した分だけ確実に成績がアップする!
こんなに美味しい科目、他にありません。
「ではどう勉強するの?」
まず大切なことは学習計画を立てることです。
無機化学の9割は覚えるだけの作業。
ゆえに覚えなくてはいけない知識量も膨大です。
なので、1日のうちにどの分野の、あるいは何個覚えなくてはいけないのか。はっきりさせておけば、他の科目との兼ね合いもうまくいきます。
コツは、『最初に大ざっぱでいいので全体像をつかむこと』。
使っている教科書や参考書の目次を見てみましょう。
「これから何について暗記していけばいいのか?」
その全てが目次に書いてあります。
例えば試験範囲が15ページ~30ページと指定されたとしましょう。
これだけ聞くと、「そんなに暗記しなければいけないのか……」なんて気持ちになってしまいますよね。
多くの学生がここでつまずいてしまいます。
しかし目次を見て全体図を把握できている人ならば話は違います。
「ふむふむ。試験範囲は『鉄』と『銅』と『亜鉛』だな。」
このように具体的に認識できます。
あとは『鉄』について暗記、『銅』について暗記、『亜鉛』について暗記、と一つひとつこなしていくだけです。
なんだか出来る気がしてきますよね。
ただ暗記していくにしても全体像を認識することで目的が明確になって、モチベーションが上がっていきます。
さて、ここまでで準備完了。
具体的にどう覚えればいいのかというと、縦と横の関係を理解することが大切。
縦は主に、元素ごとに単体やその化合物の性質をつかむこと。
元素には特徴ごとにグループ分けされています。
アルカリ金属とか希ガスとか、聞いたことあるのではないでしょうか。
炎色反応(リアカー無きK村は…)なんて覚えさせられたとおもいます。
ほかには元素それぞれの保存の仕方などです。
ポイントとしては、何かを暗記する際に、関連することもひとくくりで覚えてしまうこと。
効率もよく理解も深まりますし、「1を知り、10を理解する」ことこそが理系ですからね。
そして横軸。
横軸はおもに反応を表します。
反応に関して言えば、覚えなければならないものと、理解して覚えるものと2種類あります。
酸塩基反応とは?酸化還元反応とは?
水素イオンを相手に与えるのが酸、一方で水素イオンを受け取るのが塩基であり、この一連の反応を酸化還元反応と言います。
電子を相手から奪うのが酸化剤、電子を奪われるのが還元剤で、この一連の反応を酸化還元反応と言います。
酸塩基反応と酸化還元反応の違いって?
酸塩基反応は水素イオンとやりとり。酸化還元反応は電子のやりとりです。
この二つの反応は理解して覚えるもの。
酸塩基反応については電離式、酸化還元反応については半反応式をまず理解することが大切です。
そして次にその酸や塩基、または酸化剤、還元剤の強さをある程度理解すると、電離式や半反応式から、自分で反応式を作ることができるようになり、反応式を覚える量がぐっと減ります。
英語で言えば電離式や半反応式は単語です。
単語を理解していないのに文章(化学で言えば反応式)は書けませんよね。
無機化学だけでなく、理論化学、有機化学においても化学は反応式が大切です。
反応の仕組みは無機化学では必ず「理解」が必要な部分。
でも一度わかってしまえば実はそんなに難しくありません。
教科書や問題集でばっちりにしておきましょう。
反応式の中には、酸塩基反応や酸化還元反応の考え方ではなかなか説明が難しい反応式もあります。
そのような反応式は具体的に覚えるだけになってしまいます。
しかし入試によく出題される反応式って大体決まっています。
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無機化学の暗記法/覚え方のコツ
無機化学に限らず、理論化学分野の化学式などの知識はどの分野においても必須。
ですのでしっかりと定着させなければなりません。
付け焼刃の知識だったのなら、無機で苦労すること間違いなしです。
そうならないためにも、しっかりとした暗記方法やノートの作り方を構築していかなければいけません。
そこでおすすめの暗記法は、俗にいう「京大式ノート」。
一般的な単語カードは、はっきり言って小さすぎて使い物にならないので、書きたいことの半分もかけないかと思います。
ですので、B6サイズのルーズリーフに多くの情報をかけるこちらのほうがおススメです。
そしてなんといっても効率が良いのです。
いちいち授業ノートを引っ張りだして確認するよりかは、こっちのほうがコンパクトで情報もまとまっています。
酸化還元やイオン化傾向、沈殿などの暗記が以前より格段に定着し、得点へとつながります。
暗記が苦手な人にもとくにおススメの暗記法です。
また、一度ノートにまとめた後も、新たに学校や予備校の授業、あるいは参考書や問題集をやっているうちに新しい学びや発見に出会うことも多々あります。
そのような時はぜひノートに加筆しましょう。
化学は物質の色も大事です。ノートを作成した、実際の化合物の色を色ペンなどを使用して塗ると効果的です。
本屋さんなどで売られている「化学図表」は実際の実験の様子や物質の形や色などがフルカラーで掲載されていて、とてもわかりやすいです。
自分でノートを作成したら、この「化学図表」の該当部分をカラーコピーして、ノートに貼ると知識量に厚みができます。
実際の物質の形や色を視覚で覚えることができるので効果的です。
無機化学の勉強法と暗記法は以上となります。
あとは実践あるのみ!
しかしここで注意しておきたいことがあります。
それは「暗記したものは忘れてしまうもの」だということ。
もともと人間の脳は少しずつ忘れるように設計されているので、これは仕方がありません。
人は覚えても忘れる生き物なのです。
「じゃあどうしたらいいの?」と、不安になってしまう人もいるかもしれません。
でも大丈夫です。
暗記科目を勉強していく上で、とても重要な学習習慣を紹介します。
暗記は普段からの習慣が命なのです。
無機化学の暗記のために知っておくべき3つの習慣
無機化学の暗記で大切な習慣は次の3つです。
・浅く広くを繰り返す
・テーマごとのストーリーを追う
・人に教える
一つずつ解説していきます。
「浅く広くを繰り返す」
無機化学のような暗記が必要な科目を勉強するとき、単元ごとに完全マスターしてからでないと次に進めない、なんて学生が結構多いです。
心当たりありますか?そんな人は要注意。
確かに一つひとつ完璧にしながら進んでいかないと、勉強したことが頭に残るか不安になってしまう気持ちは誰でも持っています。
そんな不安に駆られてがっつりと完璧に暗記しながら勉強を続けていったとして、何が起こるのか。
結局忘れます!
そうなんです。
どんなに時間をかけてじっくり覚えたものでも、使う機会がないままだと人間の脳は、
「この情報は使用頻度少ないし、そんな重要じゃなさそう。じゃあ、ポイで。」
といった感じで(あくまでもイメージですが)記憶から消してしまうのです。
逆に言えば繰り返し使えば重要度が高い情報として認識され、長期記憶として脳に刻まれます。
この仕組みを上手く使えるのが「広く浅くを繰り返す」なのです。
完全に覚えたという確証がなくても次のページに進み、とりあえず試験範囲まで一周してみる。
そしたらまた最初に戻り、軽く一周する。
そしてまた最初に……
こうしていくうちに嫌でも脳が記憶としてストックしてくれます。
特に暗記ものは寝る前と起きた直後がオススメです。
寝る前であればベットの中でノートを見返すだけでも構いません。
とにかく繰り返しが大切です。
「テーマごとのストーリーを追う」
無機化学は暗記科目ですが、全てを呪文のように覚えなければならないというわけではありません。
テーマごとにストーリーがあるからです。
学校教育のカリキュラムである以上、学ぶ意味がある学問だと考えられているわけです。
特に無機化学は「工業的価値」を重視して勉強内容が決められています。
『鉄』についてなら、鉄鉱石から鉄を作り出す過程の反応式だったり。
『鉛』や『亜鉛』なら、自動車のバッテリーの中で起こっている反応だったり。
ここで大事なのは反応が酸塩基反応なのか、酸化還元反応なのか、あるいはそれ以外の反応なのかをしっかり区別して覚えることです。
そうすることで反応式の定着の仕方がだいぶ変わってきます。
このように各テーマのストーリーを理解することで、記憶の定着率はぐんっと跳ね上がります。
「エピソード記憶」なんて言われている脳の機能ですね。
「人に教える」
重要度の高い情報が記憶に残るって話はしましたね。
それでは人間が一番情報の重要度が高いと認識するのはどんな時でしょう。
勉強においてそれは「人に教える時」です。
自分が理解していないと相手には伝えられませんよね。
暗記するために覚えたものは結果でしかありませんが、教えるために使う記憶は手段です。
記憶を道具として使おうとするとき、正確性が求められて重要度が高いことになるのです。
教わるより教える方が記憶に残りやすいなんて面白いですよね。
教える相手が近くにいないときは、一人で授業をしている想像をするだけでもOK!
同等の効果が得られます。
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無機化学の勉強におすすめの参考書・問題集
福間の無機化学の講義
無機化学を分かりやすく解説してくれる参考書が、「福間の無機化学の講義」。
いきなり問題集を解いても無機化学の内容が理解できていなければ、解説を暗記するだけになってしまいます。
無機化学の勉強の最初の1冊として「福間の無機化学の講義」に取り組めば、日東駒専・産近甲龍・大学入学共通テストレベルの内容は理解できます。
それから問題集をアウトプットするようにすれば、無機化学で得点を稼げるようになるでしょう。
宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学
「福間の無機化学の講義」よりもさらに易しい無機化学の講義の参考書が、「宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学」。
イラストがとても多くカラフルで、初学者の方でも楽しく勉強を進められます。
ニューステージ化学図表
教科書や参考書だけではなかなか理解が難しい、単体や化合物の写真や形、色などの情報がたくさん詰め込まれています。
単元ごとにまとめられているので、とても理解しやすいです。
特に初めて化学を勉強する人はイメージがつかみやすくなるため、オススメの一冊です。
大学入試 亀田和久の無機化学が面白いほどわかる本
初心者にわかりやすい内容で書いてあります。
対話形式で書かれているので、読みやすく、本は多少分厚いのですが、スラスラいけちゃいます。
また無機化学の問題や別冊で無機化学のまとめがついており、大変役に立ちます。
問題集や参考書が一通り終わったら、自分の志望校の過去問の無機化学の問題を解くことをお勧めします。
知識問題は覚えているか覚えていないかなので、覚えていればスラスラ解けると思います。
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無機化学の勉強法と暗記のコツまとめ
無機化学は覚えることが多くて、しかも理論的でない部分もあるので覚えるのに苦労する。
確かにそうかもしれません。
・理論で覚えられる部分はなるべく理論で覚える
・身近で使われているものに例えて覚える
・ストーリー展開を理解して覚える
これらのことを守れば、知っていれば得点できる問題が多いので、ライバルと差がつく分野にほかなりません。
知っておけば必ず模試や本番で無機分野が得点源となるはずです。
化学は反応式がとても大切です。
無機化学の反応式がどのように成り立っているか理解することも無機化学のマスターには近道です。
最後に、どうしてもやっておいてほしいのは「教科書」です。
入試で聞かれることはこれ以上でも以下でもありません。
しっかりと教科書の内容を理解して定着させれば、どんな問題もなんなく突破できます。
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しかし浪人して1ヶ月で「英語長文」を徹底的に攻略して、英語の偏差値が70を越え、早稲田大学に合格できました!
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