目次
「やさしい理系数学」の特徴
問題集の名前の通り、理系志望の受験生向けの問題集になります。
しかし、「やさしい」とは銘打っているものの、掲載されている問題は、ほとんどが理系難関大学・学部で出題されるようなレベルです。
この点が、この問題集に取り組む上で一番注意しなければならない点です。
理系志望の受験生の中でも、
・自分の志望する大学・学部の数学の試験傾向が、毎年高い思考力を要求するような難しい試験である場合
・数学を得点源にしたい
という受験生が取り組むべき問題集です。
問題の解説部分は、扱われている問題の難易度に対して、かなりシンプルで無駄のないのが特徴です。(必要最低限の内容しか記載されていない、と表現した方が適切かもしれません。)
そのため解説を読む受験生のレベルによっては、説明が簡潔すぎて理解しづらい、という印象を受けるでしょう。
問題数が多いやさしい理系数学ですから、簡潔な解説を読んでも自分で理解できる、あるいは教科書や別の参考書も利用しながら何とか理解しようと努力できる根気強さが必要とされます。
ポイント
「やさしい理系数学」は、理系難関大・難関学部志望の受験生向けの問題集。
解説がかなり簡潔なので復習する際は、根気強く取り組もう。
「やさしい理系数学」はやさしくない?
ネットでは「やさしい理系数学」は名前に反して難易度が高いという評価もありますが、一方名前の通りやさしいという評価もあります。
このような評価は例題と演習問題との、難易度の差に起因するものです。
言い換えると、「難しめでエッセンスがつまっている例題に対し、比較的やさしいレベルから難しいものまでがそろっている演習問題」をもつというこの参考書の特徴が、このような評判を生み出しているのです。
ですから、「やさしい理系数学」を自分が使うレベルに達しているかを考える際には、青チャートなどの網羅系問題集をある程度終え、一定数の解法パターンの知識を持っていることが目安になります。
無事この問題集の問題を完璧にすることができれば、東大京大・東工大・阪大などの国公立2次、また早慶などの難関私大の数学とも戦える力が付きます。
また分野別に問題が分類されているため、学年を問わず利用できるのもやさしい理系数学の特徴です。
「時期はいつから取り組めば良いですか?」という質問を頂くことがありますが、分野によっては高校1年生からやさしい理系数学に取り組むことも可能でしょう。
しかし数学は分野を横断した考え方が多いですし、実際別解は分野を横断した解き方をしているものが多いですから、高校数学の全範囲をある程度網羅してからの方が楽しんでこの問題集を使うことができるでしょう。
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対象となる受験生のレベル
理系志望の受験生の中でも、「受験標準レベルを超えたある程度難しい問題に対しても、しっかり筋道を立てながら、解答を完成させられる(※完答できるか、できないかは問わない)」レベルが必要です。
まず受験標準レベルを超えたある程度難しい問題 の部分についてですが、分かりやすく例を挙げると、「青チャートに掲載されている章末問題」レベルは最低限戦えるレベルが必要になります。
(※もちろん、青チャートに限らず、例えば「1対1対応の演習」や「新数学スタンダード演習」などの演習題レベル、といった大学入試の標準レベルを超えたやや難問を扱っている問題集・参考書を目安にしてもいいでしょう。)
この問題集には、基本的に「青チャートの章末問題」あるいは、それ以上の難易度の問題が掲載されると考えてください。
共通テストでいえば8割以上、偏差値でいえば60以上が目安になるでしょう。
次にしっかり筋道を立てながらの部分についてです。
掲載されている問題のレベルがレベルだけに、当然高い思考力が必要とされます。そのため、普段から解答を作成する際に
・誰が見ても理解できる
・誰が見ても納得できる
ように論理的な解答を書き上げられるような思考力の訓練をしていないと、まったく太刀打ちができず、ただ解説を読むだけ、という事態になりかねません。
さらに追い打ちをかけるようですが、冒頭部分でも述べたように解説がかなり簡潔なため、解説を読んだはいいが、まったく分からない、ということもあり得ます。
最後に解答を完成させられるの部分についてです。
この問題集は、扱われている問題のレベルとそれに対する解説の簡潔さを考慮すると、
「大学入試における数学の難問に対して、いかに立ち向かうか(立ち向かえたのか)」
もっと分かりやすく言い換えるとするのならば、
「完答できるかできないか、というよりは、むしろ完答できないまでも、どこまで筋道がしっかりとした解答を書き上げ、どれだけ部分点を取れたか」
という、訓練に適しているといえるでしょう。
そのため、この問題集を解き進めていく中で、取り組む問題がどんなに難しい問題だったとしても、簡単に諦めずに自分なりの解答を(可能であれば最後まで)書き上げる、という過程が必要です。
現時点で、この問題集にほぼ太刀打ちできず、解説を読んでも理解できない、という受験生は無理にこの問題集に取り組まず、例えば先ほど軽く紹介した
・青チャートの章末問題
・1対1対応の演習(東京出版)の演習題
・新数学スタンダード演習(東京出)
といった「大学入試における標準レベル~やや難しいレベルの問題」を扱った問題集(またはその一部分)に取り組む・復習する方がいいでしょう。
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やさしい理系数学の到達レベル
掲載されている問題を「なぜこのような解法が用いられているのか、しっかり理解できる」ようになれば、偏差値70前後を十分に目指せる実力が身に付けられるでしょう。
(※偏差値は、受験者数が最大規模の記述模試である全統記述模試〔河合塾〕を参考にしています。)
大学のレベルでいえば東大や京大、早稲田・慶應・医学部といった難関大学とも戦える土台がガッチリ固まります。
掲載されている問題の特性上、かなりの思考力が要求されるため、初見で解けるかどうか、よりも
・どこまで自分で考えながら解答を作れたか
・解説を読んで、しっかりと理解できたか(あるいは理解できるまで読み込めたか)
という2点を念頭に置きながら、丁寧に取り組んでいきましょう。
このレベルまで到達できれば、数学においては、かなりの自信をもって試験に臨めるでしょうし、他の受験生に差をつけられるような確固たる実力が身に付けられるでしょう。
ポイント
「やさしい理系数学」は、「問題を解いた結果が正解だったかどうか」ではなく、「解く過程でいかに自分の頭で考え、自分なりの解答を作り上げられたか」「解説を入念に読み込み、しっかりと理解して自分のものにできたか」が重要。
「やさしい理系数学」の効果的な使い方&勉強法
「やさしい理系数学」は、前の項までで説明した特徴、対象レベル等を加味すると、難関大学・学部入試において、高い思考力を要する難問に対していかに部分点を拾っていくかという側面が非常に強い問題集です。
そのため問題に対する解説は、
非常にシンプル
⇒部分点(もちろん完答も)を拾っていく上で必要なエッセンスに絞ってある
と言えるような記述になっています。
標準的なレベルの問題を扱った他の教材と比較して解説部分は、言い方を変えると不親切と言えるかもしれません。
ここでは、こうしたやさしい理系数学の特徴を踏まえた上で、どのような使い方・勉強法をすれば、本書を最大限に活用できるか具体的に説明していきます。
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使い方ステップ①まずは自分の解答を書き上げる
まずは時間をかけてもいいので問題1つひとつを丁寧に解いていきましょう。
目安は最低20分~30分です。
この時間は、平均的な総合大学(理系学部)における数学の試験において、1題あたりにかけられる平均的な時間です。
(もちろん、この時間よりも短い時間、あるいは長い時間をかけられる大学もありますので、あくまで目安になります。)
何度も言うようですが、掲載されている問題はかなり高いレベルの思考力を要します。そのため、簡単にあきらめて解説を見てしまう、というのはこの問題集を使う上で、全くと言っていいほどに意味がありません。
どんなに難しかったとしても、上記の時間を目安に最大限粘って少しでも自分なりの解答を書き上げましょう。
もし、解ききれそうな問題に出会った場合には、時間をオーバーしてもいいのでしっかりと最後まで解答を完成させましょう。
使い方ステップ②解説を読み込む
問題に取り組んでみた結果、しっかり理解して解けていた、あるいは解き方は合っていたが計算ミス等のケアレスミスで間違ってしまった場合大いに自信にしてください。
この問題集に掲載されている問題が初見で解ける、ということはすでに数学においてかなりのレベルに達していることを意味します。
ただし、せっかく自分で完全解答(もしくは、一歩手前)までこぎつけた問題です。
解説もしっかりと読み込んで、自分が書き上げた解答と比較してみてください。
良くも悪くもシンプルな解説を見て、自分の解答において余分な記述はなかったか、あるいは自分の解答の方が採点者から見ても分かりやすい、などといった要素を見つけて更なるレベルアップにつなげてください。
全く太刀打ち出来なかった場合
仮に全く太刀打ちができなかったとしてもそんなに落ち込むことはありません。
大切なのは、解説を読んでみてしっかりと理解できるかどうか。(あるいは、理解できるまで読み込めるか)
この解説を理解するという過程においてもつまずくかもしれませんが、その際に教科書や他の問題集・参考書に立ち返って、解説を理解する努力をしてください。
その試行錯誤あるいは四苦八苦した過程にこそ、この問題集が要求している「高い思考力」を養うカギがあると考えてください。
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使い方ステップ③何周も復習しよう
一題に対して解説の読み込み作業まで一通り終わったら、最後のステップです。
やさしい理系数学以外の問題集・参考書を使う上でも言えることですが、最も重要なことは、「使った問題集・参考書は完璧になるまで使い込む」ことです。それが一番効率よく、実力を身に付けていく方法です。
特にやさしい理系数学のような難易度の高い問題集は、やりっぱなしにしてしまうとせっかく解答・解説の過程で養った思考力を、再度同じ問題で身についているか確認できなくなってしまいます。
ハイレベルな内容を扱っているからこそ、復習が億劫なのは非常によく分かりますが、このステップをなくしてやさしい理系数学に取り組む上で目指していた「高い思考力」は身に付けられない、と思ってください。
重要なポイント、ニガテな部分はノートにまとめるのも良いですね。
もう一度言います。入念な復習を心掛けましょう。
ポイント
①解答作成でしっかりと時間をかけて粘る
②解説を理解できるまで読み込む
③徹底的に復習する
の3ステップで進める
やさしい理系数学の勉強のポイント
網羅系問題集の使用の際には、とにかく知らない解法は覚えてしまうことがミソです。
しかしこの問題集を使うのでしたら話は別で、例題から演習題まで1問1問、じっくり粘って取り組みましょう。
今まで覚えた様々な解法パターンを複合、融合して使えるようにすることがその狙いです。
その際に意識してほしいのは、次の2点です。
使い方&勉強法①:自分が知っている解法を複数の視点から眺める
使い方&勉強法②:どうしてそのアプローチをするのかを研究する
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勉強法ポイント①:自分が知っている解法を複数の視点から眺める
まずポイント1ですが、これはやさしい理系数学の「別解が豊富」という特徴を最大限に利用するためのものです。
例えば確率の分野であれば、数え上げると厳しい問題が漸化式を使って解くと楽になったりします。
どんな解法でも解けるに越したことはありませんが、計算量を分析して適切な解法を選択することが、時間が絞られている試験中では重要となります。
落ち着いて考える時間のある普段の勉強でこそ、自分の解法以外の視点をこの参考書から取り入れましょう。
勉強法ポイント②:どうしてそのアプローチをするのかを研究する
ポイント2がやさしい理系数学を使う際には肝になります。
大学への数学シリーズのように「なぜその解法に至ったか」はあまり記載されていません。
そのため自分でしっかり「なぜこうやって解くんだろう?」と考えましょう。
それが二次試験で出題される新傾向の問題や、一見パターンに当てはまらなさそうな問題とぶつかる際に活きてきます。
ここをサボるかサボらないかがあなたの数学力が伸びるか伸びないかの境目になります。
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やさしい理系数学が終わったら次は?
前述の使い方・勉強法を実践して「やさしい理系数学」の1冊をしっかりと終らせることができたのなら、確実に実力が身に付き、成果が徐々に現れてくるでしょうし、何よりも自分自身の大きな自信になっていることでしょう。
更なる実力の定着、レベルアップを目指して取り組むのにおススメなのが、同じ河合塾出版の「ハイレベル理系数学」。
この問題集は「やさしい理系数学」とは違って名前通り、かなりの難問ぞろいです。
言うまでもなく、「やさしい理系数学」よりも扱われている問題は難しいです。
同じ出版、同じシリーズの問題集であるため当然、解説部分も非常にシンプル。
理系難関大・学部志望の受験生の中でも、
・自分の受ける大学・学部の数学の試験の割合が非常に高い
という場合に取り組んでみるといいでしょう。
あるいは、もう一段階、レベルを落とした問題集(例としては、青チャートをはじめとした前の項で紹介した問題集)の章末問題・演習題の復習をしてもいいでしょう。
やさしい理系数学に取り組んだことで、難問に対する恐怖心は払拭され、かなりの自信がついていることでしょうが、受験の合否を分けるのは他の受験生も解ける問題を落とさないということを忘れてはいけません。
難問に対する対策は、やさしい理系数学への取り組みで納めておいて、後は取らなければいけない問題取りこぼさないことを念頭に置いた勉強にシフトするのも一つの手です。
もちろんこれらの問題集に取り組まずに、自分の志望校の過去問演習に入ってもいいでしょう。
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やさしい理系数学の使い方&勉強法まとめ
以上のような観点のもと、1問1問に時間がかかってもいいので取り組みましょう。
もし「こんな解法思いつかなかった」と解答を読む際に思うことが多いのであれば、改めて網羅系問題集に取り組むことをおすすめします。
あくまで「やさしい理系数学」は、いままで仕入れてきた解法パターンを実戦でどう使うかを学ぶための参考書だと思っておくのが良いです。
やさしい理系数学をしっかりとやり遂げられたのなら、数学において並大抵のことでは困らない実力が身に付けられます。
数学を武器にしたい、あるいは得意とする理系志望の受験生は、挑戦する価値が大いにある問題集です。
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